微化研プロジェクト

アミコラマイシン(Amycolamicin)

  • プロジェクトリーダー:安達 勇光

<図1 Amycolamicinの構造>
Amycolamicinの構造
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私達は、近年問題となっている薬剤耐性菌、MRSA (methicillin-resistant Staphylococcus aureus)、VRE (Vancomycin-resistant Enterococci)、PRSP (Penicillin- resistant Streptococcus pneumonia) 、BLNAR (β-lactamase-negative ampicillin- resistant Haemophilus influenzae)に有効な抗生物質の探索を行い、仙台で採取した土壌より分離した放線菌Amycolatopsis sp.MK575-fF5株より新規抗生物質Amycolamicinを見出しました。Amycolamicinは構造解析の結果、trans-decalin骨格、tetramic acid、2つの糖とpyrrolecarboxylic acidから成るユニークな構造を持つことがわかりました(右図)。

本化合物は、MRSA、VRE、PRSPを含むグラム陽性バクテリアに対して、強力で幅広い抗菌活性を示し、BLNARのようなグラム陰性菌に対しても、強い抗菌活性を示します(Table)。

Amycolamicinは、以下の通り毒性が無く非常に良い性質を有しています。

  • 1. マウスの致死量は、皮下投与で250mg/kg以上である。
  • 2. Ames testにおいて、Amycolamicinは遺伝毒性を誘発しない。
  • 3. Amycolamicinは、L1210腫瘍細胞に対し10μg/mlで細胞毒性を示さない。

AmycolamicinはヒトのトポイソメラーゼIIを阻害せず、細菌のDNA gyraseとトポイソメラーゼIVを選択的に阻害します。また、交差耐性実験からgyrase阻害剤として知られるNovobiocinやLevofloxacinとは作用機構が異なることが示唆されています。

本化合物は、新しい抗菌剤のリード化合物である考え、構造活性相関研究を行っています。

関連論文

Amycolamicin : a novel broad-spectrum antibiotic inhibiting bacterial topoisomerase.
R. Sawa, Y. Takahashi, H. Hashizume, K. Sasaki, Y. Ishizaki, M.Umekita, M. Hatano,
H. Abe, T. Watanabe, N. Kinoshita, Y. Homma, C. Hayashi, K. Inoue, S. Ohba,
T. Masuda,  M. Arakawa, Y. Kobayashi, M. Hamada, M. Igarashi, H. Adachi,
Y. Nishimura and Y. Akamatsu.
Chem. Eur. J.  2012, 18, 15772-15781.