理事長挨拶

財団法人微生物化学研究会(微化研)は、平成23年3月22日(火)に公益法人認定を受け、同年4月1日に公益財団法人微生物化学研究会となりました。新しい微化研の発足です。

財団法人微生物化学研究会は、故梅澤濱夫博士(当時国立予防衛生研究所抗生物質部長、東京大学応用微生物研究所教授)が発見した新しい抗生物質カナマイシンの特許料を基に昭和33年12月に設立されました(会長吉野信次、理事長梅澤濱夫)。目的は、「微生物に関する研究を行い、広く有益な物質を発見するとともに、その開発利用を図ることによって、特に、疾病の予防及び治療の促進に資し、もって国民の健康と福祉の増進に寄与する」ことです。

本財団は、昭和37年に現在の地に微生物化学研究所を建設し、梅澤濱夫博士を所長として研究活動を開始しました。以来、稲いもち病に著効を示すカスガマイシン、世界で初めて標的となる腫瘍が限定された抗がん剤ブレオマイシンをはじめ数々の有益な薬剤を世に送り出してきました。さらに、ストレプトマイシンやカナマイシンなどのアミノグリコシド抗生物質に対する耐性菌の耐性機構の研究を世界に先駆けて行い、耐性菌に広く有効なカナマイシン誘導体(ジベカシン、アルベカシン)の合成に成功しています。このように、本研究所では、微生物学、医学と並び有機合成化学が大変重要な研究分野となっています。昭和57年8月、本財団は学術振興にも大きく貢献してきたことから、その目的に「学術の振興を図る」との文言を追加しました。事実、微生物化学研究所の研究員のみならず、広く大学、企業などの研究者を育成してきました。

平成22年度、執行部が新しくなり、より基礎研究を充実させる方向に舵を切ることになりました。微生物化学研究所は二人所長制(生物系と化学系)をとり、科学・技術の振興と人材育成を図り、この成果を踏まえ、人類等の疾病の予防及び治療、食料資源の維持・確保、地球環境の改善などに関する生物的、化学的研究開発事業を両所長の緊密な連携の下に展開することになりました。この方針は、公益財団法人微生物化学研究会となっても、変わることなく堅持していきます。

理事長

野本明男